本件は報告事項です(ご審議いただくのは最終ページの確認事項4点のみ)。本資料では、資産の質=連結NAV(資産評価額から借入を引いた純資産価値)と、規模=取得総額(取得価格ベースの保有残高)の2指標を並行して追います。
※グループMVV本体は本日の別議題でご審議いただきます。本戦略はその「実行計画」としてMVVに接続しています(次ページ)。
本戦略は、このミッションを財務的に成立させるエンジンです。4つのバリュー(行動規律)は、そのまま不動産投資の実務に対応しています。
出所:売買契約書・freee会計・固定資産税明細・賃貸借契約実績(2026年6月時点)。満室想定は居住部分の現況月額家賃の合計。
毎年の手元キャッシュフローを全額次の物件の頭金に充て、借入で約3.7倍に拡大して高利回り物件を取得する。この循環が15年間まわり続けます。
本日の数値はすべて、経営判断に使うことを前提に作られた検証済みシミュレーションに基づきます。
詳細:不動産投資15年成長モデル_v3.xlsx(経営会議資料の別紙・全7シート)
築古物件の減価償却は4年で切れます。既存物件の償却は2030年に崖を迎え、何もしなければ課税が始まりキャッシュが細ります。これは税制上避けられない構造です。
シミュレーションの結論は明快です。全物件を機械的に売買すると往復約10%の取引コストで複利が削られ、利回り13%未満(=再投資先を下回る)物件だけを年2棟まで売却し、同じ年に再投資するのが最も資産を増やします。
| 売却年 | 物件 | 税務上のポイント |
|---|---|---|
| 2027 | T-style広野(静岡)・米沢KS春日 | 米沢は所有5年超の長期譲渡(税率20.315%) |
| 2028 | 江別パレルモ・ベイセジュール(岐阜) | ベイセジュールは利回り8.5%水準での売却を想定 |
| 2029 | 宮城アーバンプレステージ | 売却益は新規取得の償却で相殺 |
| 2030 | 南相馬MOMO | 償却切れ直後に入替 |
結果を最も左右するのは上段3つ。下段(金利・運営)は保守的に置き、計画に耐久力を持たせています。
| 区分 | 前提(数値) | 考え方 |
|---|---|---|
| ① 複利の核 | 税引後フリーキャッシュフローを全額、翌年の取得頭金に充当 | 手元に残さず回し続けることが成長の源泉。配当・留保を置かない |
| ② 取得利回り | 表面13%以上(新規取得の最低ライン) | 結果を最も左右する変数。14%台なら100億円到達が前倒し |
| ③ レバレッジ | 頭金27%(自己資金20%+諸費用7%)・借入80%・25年元利均等 | 約3.7倍の購買力。これ以上は無理に伸ばさない |
| 金利(保守) | 3.0%固定(既存・新規とも) | 現状調達より高め=金利上昇を織り込んだ前提 |
| 運営(保守) | 経費率20%・新規空室10%・既存賃料は年0.5%逓減 | 満室・無修繕を仮定せず、稼働は実績で校正 |
| 税務 | 法人30%/個人長期譲渡20.315%・繰越欠損金を活用・新規取得はあっぷるに集約 | 売却益を新規の償却で相殺し、税負担を最小化 |
| スタート地点 | 2026年は東松山取得のみで様子見 → 2027年期初の投資原資1,500万円から再始動 | 直近の取得を反映した、現実的な起点に更新済み |
感応度:取得利回りを13%→14.5%にすると15年後の連結NAVは約2倍に。金利・経費・売却利回りは保守側に置いており、下振れに耐える設計です。
「取得価格ベースで総額100億円」という大家としての到達目標は、現在の戦略の延長線上にあります。
| シナリオ | 2040年の保有総額 | 100億円到達 | 2046年(60歳)時点 |
|---|---|---|---|
| ベース(取得利回り13%を継続) | 73.2億円 | 2042年(56歳) | 191億円 |
| 取得利回りを14%台に強化 | 101億円 | 2040年 | 約320億円 |
| 複合改善(利回り+融資条件+出口) | 128億円 | 2039年 | 約440億円 |
※いずれもベースケースからの試算値。60歳時点の数値は参考値であり、本日の審議対象は「100億円を目標として採用するか」です。
今後のすべての取得判断は、この5条件を物差しにします。情ではなく数字で投資先を決める ── 直近の東松山はこの5条件をすべて満たした実例です。
| 条件 | 戦略上の意味 | 東松山の実績 |
|---|---|---|
| ① 表面利回り13%以上(必須) | 複利エンジンの入口。再投資利回りを下回る物件は買わない | 14.1% |
| ② 建物比率60%以上(按分交渉) | 4年償却の厚みが税負担を決める。交渉の価値は数千万円 | 61.9% |
| ③ 耐用年数超えの築古 | 木造4年の短期償却でキャッシュを前倒し | 1993年築 |
| ④ 借入80%・25年で組成可能(必須) | 約3.7倍のレバレッジが複利の前提 | 充足 |
| ⑤ 出口利回り8〜9%台の立地 | 将来の選別入替(売却)が成立する流動性 | 圏央道圏 |
| # | 確認事項 | 承認後のアクション |
|---|---|---|
| 1 | 中期方針の承認 ── 選別入替 × 取得継続 × 3主体の税務原則を、不動産事業の中期方針とする | 月次でNAV・取得総額を経営会議に定点報告 |
| 2 | 2027年売却の準備着手 ── T-style広野・米沢KS春日の初回売却 | 川上・野田が7月中に売却査定の依頼と融資条件の仮確認に着手 |
| 3 | 100億円目標の採否 ── ベースで2042年到達。前倒しは利回り14%台の発掘力強化が条件 | 採用時は発掘体制の強化計画を次回提示 |
| 4 | 売却課税の許容 ── たいせい保有物件の売却に伴う課税(15年累計の概算0.23億円) | 確定値は決算実数の取り込みで更新(別紙モデル参照) |
本資料の詳細データ:不動産投資15年成長モデル_v3.xlsx / デッドクロス試算と売却戦略 / 物件選定基準とAI社員の関与設計(いずれもPJ01-02フォルダ)
縮んでいく東北の、生き残るコアを面で押さえる。
築古の再生と毎年の取得継続を複利のエンジンとして回し続け、
15年で資産の質を13倍に、規模を100億円へ。
あっぷるキャピタルグループ ── 不動産・開発事業部